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シナリオ&システム編

【このまとめは物語のネタバレを多く含んでいます。ご一読される場合はご注意ください】

2014年11月某日、本作のシナリオとシステムについてのインタビューを行った。参加していただいたのは、ゲームデザイナーの桝田省治氏と、シナリオライターの生田美和氏。作品に込められた想いや、発売して時間がたった今だからこそ語れることをお聞きした。

⇒本作の時系列まとめはこちら

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生田美和さん(左)。シナリオライター。王道RPGから乙女向け作品まで、多方面で活躍している。
桝田省治氏(右)。本作のゲームデザイナー。小説やアニメの監修など幅広く活動する。

――発売されて約半年が経ちますが、ユーザーの反応などを受けての今の率直なご感想を教えてください。

桝田:期待を裏切っちゃった部分は、ユーザーや制作スタッフ、SCEや流通に対しても、非常に申し訳ないと思っている。ただし、反省はしてないな(笑)。反省はしていないというのは、シナリオについてもシステムについても、かなり考えて出した結論だし、その時点である程度のリスクは覚悟していた。読み違いが今回ほどの規模になるかはさておき、おそらく僕は今後も同程度の確率でしくじり続けると思うよ。そういうスタイルを今さら直す気もないし(笑)。

――それはシステム面など、さまざまな新しいことに挑戦されているからでしょうか?

桝田:挑戦とか、大げさなものじゃないよ。今までとは違うものや新しい楽しさを提案していくためには、新しいものを作るうえでうまくいかない場合があることも覚悟している。ある意味では、無茶を承知の覚悟がないと進歩しない部分もあるよ。繰り返し言うけど、期待を裏切ってしまった部分に関しては申し訳ないという気持ちはいっぱいある。でもやらかしたぶんだけ、次は精度が上がっていくし、失敗を恐れて縮こまったらつまらないと僕は思う。

――では、まずはシナリオについてうかがっていこうと思います。ズバリ! 『俺屍2』のテーマは何でしょうか。

桝田:異物かな。あと、妥協するおもしろさ。

――今回、その異物と妥協のおもしろさを表現するうえで、生田さんをシナリオに採用された理由とは?

桝田:僕が自分のシナリオに飽きていたというのがある。前作の方法論をコピーすれば、ある程度ユーザーの満足感のあるものができるし楽だけど、それを超えることはできない。僕のなかで正解が見えない部分を、生田さんと意見をキャッチボールすることで、自分にない感覚が欲しかった。それは女性視点であったり、母親視点だったり、僕が苦手な王道の物語だったりね。生田さんには意見をやり取りすることで、僕のやりたいことを削りだし、整理するための話相手の役割を期待してお願いした。

――シナリオの分担は、どのように分けられたのでしょうか?

桝田:まず大まかなプロットを決めて、生田さんに1回シナリオを書いてもらったかな。それを僕があーだこーだ添削して戻して、生田さんに直してもらう感じだね。最終的には全部僕が手を入れているので、生田さんが書いた部分が残っている箇所もあれば、全部書き直したのところもある。
生田:私は、主に下準備を整える役割を担ったと理解しています。最終的には桝田さんがシナリオを書くと伺っておりましたので、俺屍としての精度は問わず、検討材料のバリエーションを揃えて欲しいというオーダーに挑みました。大きな挑戦だったのが、正解を持たずに書くということです。シーンごとにユーザーにどんなふうに思ってほしいかを想定し、そこへ作り込むのが私の方法論なのですが、本作では桝田さんの「ユーザーは、いろいろな気持ちを抱く、その可能性を大事にする」というお考えに沿って、私にとっての正解を持たずに、筆をすすめました。かなり難しい手法で、苦心しました。
桝田:全部ボツにしたときでも、この可能性はないんだ、というのがわかるのがありがたかった。例えばこういうふうにお願いしますと言ったときでも、ディレクションの内容は守っているけどまったく違うアプローチが返ってくることもある。それが僕にとっては、生田さんの反応を含めて本当におもしろかった。でも最終的には全部僕がシナリオを調整しているので、シナリオについて生田さんを批判している人は的外れだよ。

――本作では、シナリオに対する反響がとても大きかったですね。

桝田:対応ハードがPS Vitaになったことで、新規ユーザーも意識してシナリオもシステムも新しいことをいろいろやっている。もちろん前作のファンも満足する内容にしようとしたんだけど、うまくいっている部分といっていない部分がある。今回は、とくに前作ファンの不満がシナリオ面に大きく出ちゃった。僕自身も作るうえで、このシナリオを嫌がる人もいるだろうなとは予想していたんだよ。ユーザーの大半は前作とちょっと違う同じものを望んでいることも重々承知していたしね。でもそれが100人に数人だと思っていたのが、実際はその数倍はいた。ファンのさまざまなニーズをつかみ切れていなかったのは、繰り返しになるけど本当に申し訳ないと思う。

――生田さん的には、どうでしたか?

生田:ネガティブな声が大きいのは残念です。私も前作へのイメージを元に立候補したので、前作から変わってしまったことを残念に思うユーザーのお気持ちは心に届いています。じつは、最初のお打ち合わせでは、夜鳥子は存在しませんでしたし、天界・人界・冥界の政争や、平安ストーカー晴明など、さまざまな提案をさせていただきました。ですから、夜鳥子の登場が決定したという連絡と、桝田さんが執筆されたメインシナリオを拝読したときは……こう来たかと。その方向性をつかみ直すまで、かなり時間を要しました。
桝田:夜鳥子の口調や容姿については、小説(※鬼切り夜鳥子~百鬼夜行学園~:エンターブレイン刊)に準じている。ただし本作と小説はかなり時代が違う。普通の人でも、10年も会ってなかったら性格も容姿も変わるじゃない。まして何回も転生している彼女なら、同じはずがないからとくに意識してもらう必要がなかった。神様たちだってそうだよ。1000年も生きていたら、昔の自分にも飽きると思う。だから前作ではこういう性格だったから、本作でもそういう性格にしなければいけないという制限は考えなかった。そもそも、前作だって交神の儀のセリフくらいしか性格がわかる情報はなかったし、細かな設定があったわけでもないしね。

――生田さんの思う夜鳥子像はどんな人物ですか?

生田:原典となる小説がありましたので、私が新規に考える部分は不要だと思いました。ただ、彼女がユーザーに受け入れてもらいやすいよう提案したことものは、いくつかあります。例えば、オープニングで一族郎党の“されこうべ”が並んでいるシーン。皆殺しなので、子どものされこうべもあるはずですよね。記憶を失っているのに、なぜか子どものされこうべに惹かれ、手を伸ばしてしまう……そんな彼女を描けたら、母親としての一面を出せるのではと。例えば、晴明に彼を殺した犯人を聞かれるシーン。そこでスッと答えてしまうのではなく、一族寄りの視点で晴明に怒りをぶつければ、心は一族と共にあるとわかるのではと。これらは3回くらい提案しましたが、通りませんでした。
桝田:うーん、今提案されても、条件が同じなら切るだろうね。僕は、あんまりシナリオで気持ちの説明を入れたくない。起きた事象に対して、感じ方なんて人それぞれだし、たとえば本当の犯行動機なんてワイドショーを見ててもわかりゃしない。わかった気になって安心したいだけなんだよ。
生田:結論として、桝田さんと自分がシナリオで目指すものが違うのだと理解しました。個人的には、この物語の最後に、晴明の一言が欲しかったなと今でも思います。彼が始めた戦いなので、彼なりの決着をつけてほしかった。私としては、あのシーンで夜鳥子が晴明のお父さんを選ぶのは、とても衝撃的でした。
桝田:そうなんだ。
生田:思い起こせば、夜鳥子の登場がまだ決まっていなかった頃に、桝田さんから「人間として究極の選択って何だろう?」と質問を受けたんです。そのときに私は、家族の命を選ぶことではないか? 例えば、子か伴侶か、片方を選ぶことではないか? と答えました。でもこれは、男性専用の選択肢としての回答でした。父親は子か妻かで心底迷うかもしれないけれど、母親は子を選ぶ人が多いでしょう。だから、夜鳥子のあの選択を見たときは、本当に驚きました。まるで少女のようで、子どもがいる女性とは思えませんでした。子どもを持つ母親となった私にとって、彼女は最後まで謎の人物でした。

――彼女の存在は、最後まで一族に染まらない特殊な存在として際立っていた気がします。

生田:はい。それが桝田さんのおっしゃる“異物”というテーマなのだと思います。でも、そのままの夜鳥子では、一族を愛しているユーザーに嫌われてしまうと思い、さまざまに提案をしました。でも桝田さんが「これでいいんだよ」と。夜鳥子は、いまだに夢に出てきます。もっと違った着地点もあったのではないか? とつい思ってしまいます。例えば、前作の大江山のように、晴明の父親や母親に起こった悲劇が、マップから読み取れるようにできたら……とか。シナリオとマップが、完全に別個の存在なのが惜しかったです。

――本作のテーマに"異物"というのを上げていましたが、本作では夜鳥子を含めて一族の思惑の外にいる人物がたくさん登場しますね。

桝田:そこは、視点の置き方だと思う。『俺屍2』では、「鬼」というのが1つのキーワードになっている。この作品の初代当主は自分の分身みたいなもんだけど、2代目からはプレイヤーの視点は一族を見守る特殊な立場になるじゃない? あれって、現世に未練を残して成仏できない魂が代々の当主を操ってると考えれば、鬼そのものの視点だよね。そういう意味では地上にちょっかいをかける神様たちも未練たらたらの鬼だし、人間に殺されたのに一族の世話をすることになるイタチの子だって、死後も全国をさまよい続けてるお姫様の幽霊だって鬼だよ。そんな欲望に忠実な鬼同士がぶつかっているのが、今回の話なんだよ。だからプレイヤーの都合のいいように話が進むはずがない。自分の子どもですら中学生くらいになるとくそ生意気になって他者と認めたうえで、妥協点を見つけて折り合いをつけるしかない。僕の理屈ではストレスが大きいほど、乗り越えたときの快感やカタルシスも大きいんだよ。その快感を増やすために、『俺屍2』ではストレスを前作よりも意識して増やしている。それを楽しめるユーザーもいれば、ゲームでまでストレスをためたくないという人もいる。そこが、この物語のリスクなんだよね。

――桝田さん自身は、その異物の1つである夜鳥子をどう思っているんですか。

桝田:えっと、ユーザーのなかには僕が夜鳥子をすごく好きだと思っている人もいるけど、はっきりいってそんな気持ちないよ(笑)。あるとしたら、身体中に式神を宿した露出度の高い美少女というビジュアルかな。陰陽士を作るうえで新規のアイデアもいろいろ出したんだけど、夜鳥子の見た目が1番インパクトがあった。設定回りは詳しく考えていないかな。

――式神といえば、やたノ黒蝿と阿狛・吽狛を式神に選んだ理由は?

桝田:形が似ているからっていうのが、1番の答え。過去にきっと何かがあって、式神になったという事実だけを決めてある。
生田:桝田さんとお話したときは、やたノ黒蝿はたくさんいる鴉の一族の1人というお話でした。その最後の生き残りである彼を、夜鳥子が宿すことで消滅しないで済んだ。夜鳥子はそういうほおっておくと消えてしまう鬼とも神ともつかない存在を救っていたというお話でしたよね。
桝田:それも都合のいい嘘かもしれないけどね(笑)。

――決まった答えがないぶん、そういうふうにプレイヤーが理想とするお話を想像するのもおもしろそうですね。

桝田:僕は、それでいいと思うけどね。だって神様たちだって、絶対に自分の都合のいいことしか言わないじゃん。半分くらいは嘘っぱち。というより、もともと都合のいいことしか見えないし覚えていないんだ。おまけに自分の意見が普通だと信じて疑わない。

――そんな神様たちですが、おもしろいと思った反響はありましたか?

桝田:苗場ノ白雪姫は、好き嫌いがはっきりと分かれた。表層だけ見ているとすごく心地がよい言葉をくれるんだけど、疑いの眼差しで見ると中身がないようにもとれるよね。彼女だけが一族の味方だと思う人もいてもいいし、嘘くさいと思う人がいてもいい。彼女がそう言ったという事象に対する解釈は、人それぞれでいいんだよ。

――鬼神のセリフは、どのように決めていったんですか?

桝田:誰に何を言わせるかは、2人で話し合って決めたかな。そこで生田さんから届いたセリフには、「僕ならこっちに言わせるけど、こう来たか」というのがいくつかあっておもしろかった。
生田:桝田さんから、語るべき内容は指定を頂きました。神様の設定や口調は、桝田さんが後で直しを入れるという役割分担となり、数を打つことを意識したのですが、神様についての情報共有がなく、打率が上げられなくて苦しかったです。修正は覚悟していましたが、全ボツを連発した時は、桝田さんに「いっそ首にしてくれないか」と聞いたほど(苦笑)。そのときに改めて、桝田さんが私に期待しているのは、話相手として、多様な意見を出すことなのだと聞かされ、ならば自分の文字は、1文字も採用されなくてもよいと吹っ切れて、アイデアを出して行く方向へ気持ちを切り替えることができました。
桝田:生田さんからもらったアイデアで印象的なのは、中盤に物語をまとめる鬼神が欲しいという話をしたときに、光無ノ刑人(ひなしのけいと)を選んだこと。これには「へー」と思わされた。
生田:この鬼神は、物語の核心を知っている中ボスなので、本当は新規にデザインしてもらうのが1番だと思っていました。でも既存の神様からということで、それならば、顔を隠し、罪人としての過去がその名前に刻まれている光無ノ刑人なら、ミステリアスで、合うのではないかと思ったんです。まさか通るとは思わなかったけれど(苦笑)。
桝田:僕、キャラに愛着ないからつじつまが合えば誰でもよかった(笑)。
生田:そういうところが不安で、本当は新規の方がよかったのですが……。難しいです。

――生田さんが印象に残っている鬼神は?

生田:恐れ多くて辞退した神様はたくさんいるのですが、自分でそこそこ書けたかなと思ったのは、ほろ酔い桜(ほろよいざくら)です。彼女はPSP版が初登場と、比較的新しい神様でしたから、ユーザーのイメージも固まりきっておらず、そこが助けになりました。ほろ酔い桜が、もとは桜の木だったという設定の提案に、「いいよ」と言っていただけたので、“夜鳥子と晴明の父を見ていた、ただそれだけの存在”として書かせていただきました。また木霊ノ寝太郎(こだまのねたろう)は、他人の夢を見てしまうというファンタジー解釈に許可をいただけて。それなら、人の夢が流入してきて迷惑する者というのはどうだろう? と。九尾吊りお紺(くびつりおこん)は恐れ多かったのですが、母親の心なら私にも書けるのではないかと思い挑戦しました。採用されて一番驚いたのは、印虎ヒカル(いんどらひかる)です。夜鳥子に対して、許せないとはっきり言える神様が必要だと、激しい気性の彼女ならばこそ言える言葉は何か? とアイデアを膨らませました。

――生田さんが恐れ多いと思った神様は誰ですか?⇒本作の時系列まとめはこちら

生田:太刀風五郎(たちかぜごろう)・雷電五郎(らいでんごろう)や敦賀ノ真名姫(ツルガノマナヒメ)など、前作で重要な役割を背負った神様ですね。15年ぶんの深い思い入れをお持ちなユーザーが多いはずですから。
桝田:僕は五郎たちや真名姫のセリフ書いたけど、もう忘れているけどね(笑)。そういえば五郎たちの設定がおかしいと言っている人がいるけど、それは考察不足。人に風と火を教えて幽閉されていたのに、なぜ夜鳥子たちと地獄で戦ったのか疑問に思う人も多かったみたい。これは地獄にいた鬼が夜鳥子たちに倒されて、天界の神様になった後に、人間に同情して火や風のコントロール方法を教えて、その罪で幽閉されたという流れ。火と風と言うから、原始人に火のおこし方でも教えたのかと勘違いしたのかもしれないけど、これは文明全般の暗喩(あんゆ)だよ。火と鞴(ふいご)の風ってことで、ここでは製鉄技術のことだろうね。少量ながらも鉄が安定供給されだしたのは平安初期だから、さほど時系列としてもおかしくない。

――なるほど、単なる火と風ではなく、製鉄のための火と風ということなんですね。シナリオで1つだけお聞きしたいことがあります。名前を失った晴明の父親の■■■■■ですが、名前が語られることはないのでしょうか。

桝田:設定では決まっているね。答えは言えないけど、よく見ると術の中にそれらしいのがある。それが名前の一部だね。

――うーん、気になります。あと隠しボスの丹は何者なんでしょうか?

桝田:あの子が言っているセリフを聞くと、母親を鬼に食われた子どものようだね。それでお母さんを待っている間に、自分も鬼になってしまったのかな。

――そんな設定があるんですね。

桝田:ないよ、そんな設定(笑)。

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――続いては、システム面について教えてください。まず、パーティの枠を夜鳥子に取られることについて不満に思ったユーザーは多いようです。

桝田:僕は、シナリオとシステムを切り離して考えない。だからパーティの1枠が夜鳥子になるということが、こんなに大きな拒否反応が出るとは正直思わなかった。これも異物を入れることの一環。百鬼祭りに合わせて夜鳥子の年齢を調整する必要があるけど、ゲームの難易度としてはそんなに上がっていない。前作で言う“大江山に合わせて戦力を整える”ことのように最初は難しいけど、慣れればそんなに難しくはない。と思ってたんだけど混乱した人は多いみたいだね。

――陰陽士を必ず出撃隊に入れなければいけないという縛りが個人的にも少しきつかったです。

桝田:入れておくと、とてもお得なんだけどね。式神戦では、1つ前の百鬼祭りで手に入れた式神がすごく有効だしね。

――確かに強いのですが、自分で決めた4つの職業で戦い抜きたいという気持ちもありました。

桝田:そういう考え方も確かにあるし、夜鳥子の舞台を演出するプロデューサーみたいな気軽な気持ちでやってる人もいる。繰り返しになるけど折り合いのつけ方だよね。

――迷宮が複雑すぎるという声も多く聞かれました。

桝田:これは、完全なこちらの読み間違え。アルファのスタッフから新しい迷宮の生成方法を提案されて、たいへんだけどおもしろそうだからGOサインを出したんだよ。でも完成するまでに予想以上に時間がかかってしまい、さらにできあがったものもかなり思ったよりも大きかった。あまりに迷宮が大きくなりすぎたので、最も小さいパターンから4パターンを選ぶことにしたかな。あと1カ月の時間の感覚も間違えていたから、モードによっては1カ月では最深部までたどり着けないことも多くなってしまったんだよね。これはけしかけた僕のミスであり、アルファの担当者のミスでもある。彼に変わって謝るよ、本当に申し訳ない。あとカギをレベル管理のために使い出したのも、失敗だったかな。本来は奥まで行く近道として機能するはずだったんだけど、実際には、序盤に行くと危険な場所に行けないようにするためのモノになっている箇所も多い。結果として事故死は前作に比べてずいぶん減ったけど、わずらわしかったしあからさますぎだよね。

――遠征の成功点、失敗点についても教えてください。

桝田:前作ではどのプレイヤーの街も最終的には同じだったから、今回は状態を多様化したかったんだよ。土地の大きさを有限にして、建物の数を規制することで多様性を確保している。だって出かけた先の他人の街に大仏やまねきねこがいっぱい建たっていたら笑えるじゃん。目指していたところの70~80%はできている。もう少しコマンドが使いやすかったり、記録容量を確保して再現できるものを増やしたかったね。

――今回術の種類がたくさん増えたことは?

桝田:パーティのAIを賢くするために、攻撃の術を4段階にそろえたかっただけだよ。ただ3つ目の時点ですごい名前がついてたりするじ。そうすると、残っているのは富士山とかすごいのしかつけられないよね(笑)。

――システムのなかで、反響のよかったものはありますか?

桝田:キャラや武器のやり取りだね。

――容姿が遺伝することでいろんな子どもが生まれ、養子をやり取りする楽しみも増えた気がします。

桝田:そのために3Dにしたからね。ゲームショウでそれを発表したときは、否定的な意見が多かったかな。でも今は、3D化についてはほとんど文句は出ていない。だって遺伝するほうがおもしろいし、わかりやすいもんね。

――ちなみに、続編の『3』は考えていらっしゃいますか?

桝田:考えていないよ。だって、そもそも僕は2作目を作るタイプじゃないし。常に新しい楽しさを提案したい。自分のコピーは疲れるよ。

――最後にこれから遊ぶユーザーや、すでに楽しんでいる皆さんにメッセージをお願いします。

生田:本作は、心地よい言葉で気持ちを包み込む物語ではありません。簡単には飲み下せない異物が仕込まれていて、その心地悪さが、自分の求める家族像や、生き方を再認識させてくれます。一族の戦いを通して、自分の理想の血族像を育んでください。
桝田:いつも言うけど、好きに遊べばいいし、好きに感じればいいと思うよ。あとこのシステムをパクって、誰かにゲームを作ってほしいと思っている。自分で作ると、いろいろ知ってしまっているからね。ほかの人がこのシステムを使ったゲームで、僕は余計な知識がない状態で遊んでみたい。まだやり方はいくらでもあると思う。楽しみにしています(笑)。

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