『スパクロ』原作ロボット紹介コラム#4
シリーズ第1作からのスパロボフリークであるライター黒峰澄一の『スパクロ』原作ロボット紹介コラム第4回です。
『スーパーロボット大戦』とともに進化し続ける、獣を超え、人を超えた神の戦士……その名は超獣機神ダンクーガ!!(3/1)
ムゲ・ゾルバドス帝国の侵略により、人類はまたたく間に地球上の大部分を奪われた。絶望的な状況下にあって、葉月孝太郎博士は、最後の希望として4機の決戦兵器・獣戦機を開発。それらが合体して誕生する「獣を超え、人を超えた神の戦士」――超獣機神ダンクーガが、野生の心を持つ藤原忍ら獣戦機隊の4人の若者たちとともに、ムゲ帝国の野望を打ち砕く!
▲獣戦機隊のリーダー藤原忍。頭に血が上り易く、考えるより先に身体が動くタイプ。だが、驚異的な闘争本能と卓越した技術から、類いまれなる空戦能力を持っている。
そんな1985年作品『超獣機神ダンクーガ』のファンにとって『スパクロ』は、ダンクーガ本来の戦闘スタイルがあますところなく再現された貴重な『スパロボ』シリーズ作品だといえるだろう。というのも、原作テレビシリーズにおけるダンクーガは、手持ちの武器に頼らず、パンチやチョップ、ヒザ蹴りなどの格闘を駆使してムゲ帝国の大軍と戦っていたのだ。
例外として、第24話から登場した獣戦機各機の銃を合体させたダイガン、胸部パルスレーザーや背部ミサイルランチャーなども使用されていたが、決め手といえばやはり格闘攻撃。R版(アタッカー)が鉄拳、SSR版(ディフェンダー)がタックルで、並み居る敵を蹴散らしていく『スパクロ』でのダンクーガの姿は、まさしく原作を彷彿とさせる。
▲ダンクーガは一騎当千の決戦兵器。ビーム砲を弾き返す高い耐久性と、巨大な敵戦艦(ヘルマット艦)を単体で押し返すほどのパワーをあわせ持つ。うなる鉄拳で撃破した敵は数知れない。
TVシリーズでは、ダンクーガへの合体そのものが必殺技のように扱われており、苦戦をすることはあるものの、無敵の強さを誇った。それだけに初合体は第16話と異例の遅さで、全38話のうち、ほぼ折り返し地点で初めてダンクーガが登場。以後も獣戦機単体で戦うことが少なくなく、ダンクーガに合体しない回すらあった。また、すでにほかの『スパロボ』シリーズではおなじみになっている断空剣、断空砲、断空砲フォーメーション、断空光牙剣といった必殺武器の数々は、TVシリーズには登場していない。
その圧倒的な強さゆえに、TVシリーズではダイガン以外の武器を持たずに戦い続けたダンクーガだが、ムゲ帝王との決戦を描いたOVA「失われた者たちへの鎮魂歌」で、母艦・ガンドールのガンドール砲の小型版ともいうべき断空剣が初登場。デスガイヤー将軍が乗るザンガイオーを一刀両断したほか、投げつけてムゲ帝王にトドメを刺している。
▲SSR版(ディフェンダー)の必殺スキルは断空砲フォーメーション。『スパロボ』シリーズでは背部200ミリ榴弾砲からの砲撃が断空砲、その他内蔵火砲を含めての一斉掃射が断空砲フォーメーションと区別されるが、原作ではどちらも一斉掃射として描かれた。
一方『スパロボ』シリーズでは、初参戦の1995年作品『第四次スーパーロボット大戦』から、すでに断空剣と断空砲が使えたため、これらがダンクーガのメイン武器として早々に定着した感がある。初登場時の武器は、ビームランチャー、パルスレーザーと連装キャノン砲。ダイガンと断空砲フォーメーション、断空光牙剣は、1997年作品『新スーパーロボット大戦』から使用している。
ちなみに『第四次スーパーロボット大戦』初登場時からグラフィックに描かれており、『スパクロ』でも最初から装着している飛行ブースターは、TVシリーズ第34話が初登場。物語も佳境に突入してからの劇的パワーアップであり、それまでのダンクーガは空からの攻撃に思わぬ苦戦を強いられることもあった。「GOD BLESS OF DANCOUGA」以降はダンクーガ本体に改良が加えられており、本体に内蔵された主翼での飛行が可能となっている。
▲R版ダンクーガの必殺スキル・連装キャノン。飛行ブースターに装備された2門のキャノン砲による攻撃で、「失われた者たちへの鎮魂歌」ではザンガイオーの頭部を破壊したが、致命傷には至らなかった。