本作の時系列まとめ
【このまとめは物語のネタバレを多く含んでいます。ご一読される場合はご注意ください】
【注意】
この時系列まとめにおける、劇中の各キャラクターの台詞については、各キャラの考え・憶測をベースに話しています。また、これらの時系列については、海外版翻訳者への参考資料用にわかりやすくシンプルにまとめた設定の1つであり、すべてが真実、これが正解というわけではありません。それを念頭に入れてご一読ください。
※『俺屍2』ゲーム開始時を0年として、『俺屍2』スタートまでの主要キャラの過去の動向を解説します。
●太古の昔 神と天界の創設
不老不死を求める人間の一団がいた。
彼らは、禁断の秘術を使って鬼の特性を手に入れる。
鬼の特性とは、記憶や理性を失う代償に何度でも現世によみがえること。
彼らは、人間性を失わないために、現世の影響を受けない異次元の世界に旅立つ。
彼らの望みはかなえられたかに思えた。
だが、行き着いたのは、時間が止まり何の変化も起きない、死ぬことも子を成すこともできない停滞した世界だった。
彼らは、絶望した。
後に彼らは神、彼らの住まう場所は天界と呼ばれることになる。
●二派に分かれた神々
神々は、天界から現世に戻るためにさまざまな試みを行なった。
その結果、判明したことは以下ふたつ。
・魂だけの存在であり、実体を持たない神が現世に留まれる時間は非常に短い。
・無理に留まろうとすると、鬼になってしまう。ただし、完全に鬼に変化するか、半ばで止まるかは個人により大きな差がある。
これらのことが判明し、神々は現世への復活をあきらめる。
以降、天界はふたつの意見に分かれる。
ひとつは、現世への未練を断ち地上の人間にかかわらず、天界で隠遁すべきと考える保守派。
一方は、積極的に現世に影響力を行使し、地上の人間を神々が導くべきと考える革新派。
後者の神には、各人別々の思惑で、危険を顧みず地上に出向くことを試みる者もいた。その筆頭が■■■■■という男神。賛同者には光無ノ刑人(ひなしのけいと)などがいた。
▲光無ノ刑人
●400年前 夜鳥子の誕生
詳しい出自は定かではないが、夜鳥子は鬼と人の交雑により生まれた。
鬼と人の間に生まれる者はめずらしくないが、生後まもなく死ぬか、生き残っても鬼に変化する者がほとんどだった。
人間の肉体と理性を保ったまま、転生という鬼の特性をもった夜鳥子は、非常に稀有な存在だった。
夜鳥子の願いは、冥界の鬼と現世の人が共存できる世界を造ること。
夜鳥子の考えでは、鬼の大半は本来無害であり有害な鬼はわずか。そのため、夜鳥子は地上で人に害をなす鬼を探して狩っていた。
だが、鬼は倒してもいずれはよみがえるので、夜鳥子の戦いは孤独で虚しい戦いだった。
その戦いの中で降参させた数匹の鬼を身体に宿し、式神(使い魔)として操る術を会得。その特徴から鵺(日本のキメラ)、夜鳥子と呼ばれた。
そんな夜鳥子に注目したのが、革新派の神である■■■■■だった。
■■■■■の最終目標は、個人的な現世への復帰ではなく、天界、地上、冥界を統一することで誰もが三つの世界を自由に行き来できるようにすること。
冥界の鬼と地上の人の共存を望んでいた夜鳥子とは一脈通じるものがあった。
●■■■■■と夜鳥子の出会い
そんな折に地上で祭りが行なわれる際に放たれる人間の強力な気により、ほんの数時間だけ天界と現世がつながることが発見された。
■■■■■はその時間を利用して地上に降り、夜鳥子と接触した。
元より似たような夢を抱いていたふたりは、すぐに意気投合。その気持ちは数度の逢瀬を重ねるうちに恋愛感情に変わった。
■■■■■は、祭りが開かれる頻度を増やし、祭りを盛り上げて人の気をさらに高めるため、いくつもの祭具を製作した。
また、装着中は鬼の肉体と能力を得る鬼頭も製作した。
鬼頭をつけた■■■■■と夜鳥子は、人に害をなす鬼たちを次々に倒し、鬼として復活しないよう天界に送り込み神に祭り上げた。
■■■■■が祭具や鬼頭を製作した理由は、少しでも夜鳥子と一緒にいる時間を増やすためだ。
●悲劇
■■■■■と夜鳥子の間に子どもが生まれ、ふたりは幸せの絶頂を迎えた。だが同時に鬼頭を装着し鬼に変じている時間が増えた■■■■■の精神は徐々に蝕まれていた。
■■■■■は、夜鳥子と同じ世界で同じ時間を生きたいと欲した。そのために生まれたばかりの自分の子どもの肉体を奪おうと考えた。
■■■■■は企みを実行しようとした。だが、すんでのところでその企みに気づいた夜鳥子は、自ら子どもを殺すことで■■■■■の野望を阻止した。
怒り狂った■■■■■は完全に鬼と化し、夜鳥子を襲った。
夜鳥子は深手を負いながらも■■■■■を倒し、地下深い冥界に封印した。
その後に夜鳥子は、死んだ子どもに反魂の儀を行い復活させた。
反魂の儀を行った夜鳥子の魂は、現世に留まることができず、図らずも天界に昇った。
地上にひとり残るわが子の行く末を案じた夜鳥子は、子どもに転生の外法を施し、さらに自分の式神たちに子どもを守るように命じた。
夜鳥子の子どもは、この時点より転生を繰り返し不死の身体となった。これが後の阿部晴明だ。
天界に昇った夜鳥子が再び■■■■■と出会い不祥事を起こさぬように、当時の天界最高神であった太照天夕子(タイショウテンユウコ)は、夜鳥子の記憶を消し天界に幽閉した。
このとき■■■■■の名前も天界から抹消された。
▲太照天夕子
●300~200年前 神々の降臨
望郷の念や生への憧れから地上に降り、人間に接触を試みる神々は後を絶たなかった。
理性を保てず鬼となった者も多かった。
また一部の人間に肩入れした結果、気象が変動し疫病や飢饉が発生、大規模な戦争が起きた場合もあった。
この事態を重く見た太照天夕子は、中立から保守派に転じた。
神々の地上への干渉を禁じ、禁を犯した神を容赦なく天界から放逐した。
●100年前~ 前作『俺屍』ゲーム開始時 神の子の誕生
地上に深刻な影響を及ぼす神の降臨はなくなったものの、
短期間だけ物見遊山で地上を訪れる神は、その後も少なからずいた。
あるときお業(おごう)という女神が人間の男と恋に落ち、
本来生まれるはずのない神と人の子ども(姉弟)を地上で生んだ。
この奇跡の子どもたちの扱いをめぐって、革新派と保守派の神々は対立した。
革新派の神々は、この子どもを通じて地上に影響力を行使しようと考えた。この子どもを神の代弁者として祭り上げ、多くの信者を集めて都まで作った。
一方で保守派の神々は、地上の最高権力者である帝にご信託を与えて、この子どもたちの抹殺を謀った(信託を受けたのが阿部晴明。この時点で帝の信任が厚い陰陽士の座を得ていた)。
▲お業とお輪
●姉弟の対立、呪われた一族
帝の軍は、姉の殺害には成功したが、弟は信者の手により脱出した。
姉の魂は天界に昇り、夕子が後見人となり、天界最高神、太照天昼子(タイショウテンヒルコ)となった。昼子は革新派の神々を粛清し天界から追放した。
一方、地上に残された弟の黄川人(きつと)は、史上最強の鬼、朱点童子(しゅてんどうじ)を名乗り、帝の住まう京の都を壊滅させた。
保守派の神々を率いた昼子は、多くの犠牲を払い黄川人の力を半ば封じた。だが、鬼に変じた革新派の神々を味方にした黄川人は、なおも地上で猛威を振るった。
昼子は、お業の双子の姉であるお輪という女神を地上に派遣し、意図的に人間の男との間に子どもを作らせた。
さらにその子どもにかけられた短命(急成長し2年足らずの寿命)と種絶(人と交わり子を成すことが不能)、ふたつの呪いを利用し、その子どもの子孫を管理下におき、黄川人討伐に使った。
(この時期、天界と地上の混乱に乗じて、晴明は、鬼に変じた神々と天界に紛れこませた式神から夜鳥子に関する情報を得た)
昼子は鬼に変じた革新派の神々を天界に戻すことで黄川人の戦力を弱体化させ、神々と交わらせることで代々の一族の子孫を強化した。
呪われた一族は、万難辛苦の末に黄川人を倒し呪いを解いた。黄川人は天界に連行された後、昼子に次ぐ神、朱星ノ皇子(あけぼしのおうじ)となった。
一族は朱点童子討伐の功績から、御所の警備を任された。
▲太照天昼子と朱星ノ皇子
●晴明の準備
自分の母らしき夜鳥子という女が天界に囚われていると知った晴明は、夜鳥子を解放する計画を練る。
黄川人が一族にかけた短命と種絶の呪いや鬼が使う術を再現する研究も行った。
また、自分の両親のことを調べるうちに、御所の宝物殿に5つの祭具と鬼頭という道具が保管されていることを知った。
その鬼頭を媒介にして、冥界に封印されていた父の想念が無意識下に流れ込むようになった。
●0年 『俺屍2』ゲームオープニング
晴明は、御所の宝物殿から5つの祭具を盗み出した後、気象を操って都に次々に災害を起こした。それを神の怒りと帝に進言した晴明は、すべての責を御所警備の一族に押し付けて一族郎党を人身御供として極刑にした。
一族のされこうべが晒された川原に、夜鳥子をともなった朱星ノ皇子(黄川人)が天より舞い降りた。
一族は、夜鳥子の反魂の儀により復活するが、晴明により短命と種絶の呪いがかけられていた。
日本全国に散った一族は、各地で国を立ち上げ、再び呪いを解くために世代を超えた過酷な戦いを始める。
●晴明と夜鳥子の対峙
一族の援助に天界を介入させることで、夜鳥子を解放するという晴明の企みは成功する。
晴明は、式神を夜鳥子にけしかけることで、失われた夜鳥子の記憶を取り戻そうと試みる。
同時に帝を京から追い出し、御所の地下に眠る父の封印を解くための準備作業を行う。
晴明の目的は、両親を復活させ自分の出自を知ることだ。